外壁塗装の「ダメ」と「ダメ直し」


ダメ直し一般的には使わない言葉なのにその業界では普通に使っている専門用語が塗装の世界にもあります。

塗装工事の工程の中には、よく「ダメ」や「ダメ直し」という言葉が出てきますがそれもその一つですね。

そこで今回は、「ダメ」について解説していきます。

塗装の「ダメ」とは?

塗装で言う「ダメ」とは、演劇やTV業界などの「ダメ出し」から来ています。

「ダメ出し」とは、注意点や訂正点を指摘してもう一度やり直しをする時に使う演劇用語ですが、今では「仕事のやり直し」を指す一般用語となっています。

建築業界ではお施主様に引き渡しをする前にチェックして直す事を「ダメ直し」と呼びます。

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塗装の「ダメ」とはどんなこと?

特に塗装での「ダメ」には以下のようなケースがあります。

  • 塗り残し
  • 塗装が透けて下地が見えている
  • 塗料のはみ出したままになっている
  • 塗った塗料が垂れて固まっている
  • 塗料が落ちて他の場所に付いている

塗り残しP8180528_640.jpg塗り残しの「ダメ」

塗り残しP8180529_640.jpg

塗り残しの「ダメ直し」後


塗装以外の外壁塗装工事の「ダメ」が出る箇所

では、外壁塗装工事全体で出る「ダメ」にはどんなものがあるのでしょう?

  • 足場を撤去した後で、工事で落ちたゴミが散乱している
  • 土間や床のタイルなどに塗料が付いたまま掃除していない
  • マスキングして塗った後のテープの取り残し
  • 養生を取らずにそのまま放置

タイルに落ちたペンキPA241248_640_txtタイルに落ちたペンキ

タイルに落ちたペンキを落とすPA241249_640.jpg

タイルに落ちたペンキを落とす


「ダメ」以上のダメとは?

外壁塗装でよく聞く以下のようなトラブルやクレームは既に「ダメ」の範囲を超えていて、下記のような事は絶対に起きないようにしないといけません。

  • 風に乗って塗料が隣にあった車に付いた
  • 高圧洗浄の汚れた水が近隣に飛び散った
  • 植木を折ってしまった
  • エアコンの室外機やその他敷地内のものを動かしたまま戻していない
カーカバーP3080504_640

きちんとカーカバーを掛けておけば、塗料の飛散が防げます。

エアコンの室外機を元に戻すP9030010_640

エアコンの室外機もきちんと元に戻さないといけない。


「ダメ直しありき」の仕事は間違い

ただ、ダメを出さないように工夫する・作業を仕組み化する事でダメは飛躍的に減らすことが出来ます。

特に大事なのが、「後でダメ直しをするから良い」という職人の考え方です。
ダメを出さずに=後で見回らなくて良いようにその場所を終わらせる!と考えながら塗るのは集中力が要りますが、最終的に早くて上手い仕上がりになります。

さらに、ダメがどこにあるのか分からないと、それををチェックするのに無駄な時間が必要です。
職人は「ダメ・ゼロ」を目指し、監督は「ダメがあるかもしれない」というスタンスでいなければいけません。

ダメを出さない工夫も必要

例えば以下のような事を考えながら塗装をする事だけで「単純なダメ」を減らす事が出来ます。

  • 現場の材料を整理整頓しておく
  • その日に使う塗料だけを現場に置き、不要な材料・道具は片づける
  • 塗りながら垂らして落としてしまった塗料はそのまま放置せずに、乾いてしまう前にきちんと拭く
  • 外壁など塗ってあったところに付いてしまった時は、タッチアップまでその時に済ましておく。(後でやらない
現場の綺麗さは仕事の綺麗さに直結しますPC131636_640

現場の綺麗さは仕事の綺麗さに直結します。
現場の材料置き場が整理整頓が出来ていないと、こぼす・汚す・垂らす・・・といった原因の元に繋がります。

刷毛も綺麗に管理しておけば、むやみにペンキが垂れること無く綺麗に塗る事が出来ますP6066257_640

刷毛も綺麗に管理しておけば、むやみにペンキが垂れること無く綺麗に塗る事が出来ます。


「ダメ」を見つけるのは誰の仕事?

演劇も映画もダメを出すのは監督の仕事です。

工事にも「現場監督」がいて、工事の仕上がりには「監督責任」があります。

現場監督の仕事は、工事をする準備から始まり、現場がスムーズに進むように調整し、最後はダメが無いようにチェックするのが仕事です。

現場監督のダメ出しP3300546_640

現場監督は工事の監督責任があるので、仕上がりのチェックをしなければなりません。

現場監督のダメチェックP8112467_tri_640

外壁塗装の場合は特にお客様が見えない所ばかりなので、隅々まで確認をします。


「ダメは必ずあるもの」としてチェックする体質が必要

職人は「ダメ」が無いように1カ所1カ所確実に仕上げる必要がありますが、それでも自分の目には見えなくても「他人の目には見える事」もあります。

ですから、現場監督によるチェックが必要になって来るのです。

時には職人目線では気付けないようなところを若い監督が見つける事もありますし、当然ベテラン職人でもダメがゼロという事は有りません

ダメの箇所は親方や監督がテープを貼っておき、後で職人が直す事が多いP6141905-s_640.jpg

ダメの箇所は親方や監督がテープを貼っておき、後で職人が直す事が多い。

全て現場に任せるのではなく、現場監督がダメ直しをする事の方が多いP6250418_640

ただし、全て現場に任せるのではなく、現場監督がダメ直しをしてしまう事もあります。

まとめ(ダメ直しゼロを目指して)


塗装工事の「ダメ」は、大きく下記の3つに分けられます。
  • 塗る事が完了していない場合
  • 塗った部分が再び汚れてしまった場合
  • 塗らないところに塗料が付いている場合
きちんと全て塗って、引き渡しまで汚さずに、余計なところまで汚さない
そんな「ダメ直しゼロの現場」を目指して、今日も我らが花まる職人たちは働いています!
(ちょっとプレッシャーかな?)

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