2液型塗料のメリット・デメリット
- 投稿日:2016年 11月10日
- テーマ:塗料の種類・色選び
2液型塗料の元祖定番!日本ペイントファインウレタンU-100
二液型塗料とは?
二液型塗料とは、塗料を塗る時に(直前に)A液とB液を指定の割合で混ぜて塗る塗料の事です。
一般的な塗料は一液型なので、少し特殊な部類に入るかもしれません。
二液型塗料は一般住宅の塗替えで使う塗料の中では、外壁に塗る塗料や、鉄部その他に塗る油性系(弱溶剤)で使われています。
水性塗料にはごく一部にしか採用されていません。
2液型塗料は【主材】と【硬化剤】を塗る前に混ぜる
2液型 外壁用ウレタン塗料 クリーンマイルドウレタン 主材13.5㎏:硬化剤1.5㎏ |
2液型 屋根用ウレタン塗料 ヤネフレッシュ 主材14㎏:硬化剤2㎏ |
2液型 多目的溶剤シーラー マイルドシーラーEPO 主材10.5㎏:硬化剤3.5㎏ |
各種二液型塗料。 缶の形や容量もバリエーションが豊富 |
世の中にある塗料は、元々1液型でした。
それをわざわざ2つに分け、使う前に混ぜなければならない塗料を作る理由は、性能の向上しかありません。
私の記憶では、1980年代後半に日本ペイントのファインウレタンU-100が超高級塗料として使われ始めた記憶があります。
当時は「硬化剤」と言えば防水材でしか使われていませんでしたので、物凄く早く乾いてしまうのでは?と怖がりながら使ってみたものの、適度な乾燥時間と塗り易さ、そして仕上がりの美しさに感動したのを覚えています。
ただ、当時はそれだけ高価な塗料でしたし慎重に主材と硬化剤を混ぜて使うのも当然のように思っていましたが・・・
その後、爆発的ヒットとなって市場に普及し始めると、思わぬ事が起き始めてきたのです。
2液型塗料は手抜き業者に不人気!?
このように混ぜるために重さを量らなければならないため、二液型塗料には「ある問題」があります・・・
つまり、「手抜き」あるいは「不精な」職人の場合、主材(塗料液)だけで塗ってしまい、硬化剤を入れない(混ぜない)職人がいるのです。
(又はだいたいの目分量で硬化剤を入れる)
14:2の比率ならまだ簡単です。
半分なら7kg:1㎏、4分の1なら3.5㎏:0.5㎏とまだ割り切りやすいです。
しかし、9:1の塗料の場合だと簡単ではありません。
一斗缶で13.5:1.5ですから、半分なら6.75kg:.075㎏・4分の1なら3.38㎏:0.38㎏と・・・
少量使う場合の重量計算が面倒なのです。
各種二液型塗料の硬化剤。 缶の形や容量もバリエーションが多い。 |
エスケー化研のクリーンマイルドシリース゛の硬化剤の上部に印刷された注意書き。 混合比も書いあるのは。それでけきちんと出来ない場合が多い事の裏返しかも?? |
2液型塗料の1液タイプが登場!?
2液塗料なのに適切に混合しない不具合が多発したからなのか、「いちいち混ぜてられないヨ」という職人市場からの要望に応えてなのか?・・・しばらくするとファインウレタンに1液タイプが登場しました。
メーカーの話では「主剤と硬化剤が缶の中で混ざらないように入っていて、塗る時に混ざるようになっている・・・?」との事です。
2液タイプと同等の性能で、わざわざ混ぜなくて良くなったのであれば素晴らしい話ですが、残念ながらそうではありません。
確かに従来の1液型合成樹脂アクリル塗料(いわゆる油性ペンキ)よりはマシなのですが、使い勝手が良くなっった一方で、性能は半減、といったところです。
こちらが1液ファインウレタンU-100 |
2液型塗料と1液型塗料とではここが違う!
では、2液型塗料のメリットから整理してみましょう。
塗料の寿命(耐候性・耐久性)が長い!
寿命は2液型塗料の方が1.3倍程度長持ちする感覚です。
正直、1液型の塗料は半分くらいの寿命しか無いのでは?とも思っています。
ですから、花まるリフォームでは怖くて外壁に塗った事は1度もありません。
確実に化学反応を起こす事が出来る!
設計思想通りに、きちんと2つの液を分けて、塗る直前に化学反応を起こさせる事で、確実に塗料の化学反応を起こさせることが出来ます。
密着力が強い!①手に付いたら落ちない・・・
密着力が強い!②色々なものに塗れるようになった!
艶がしっとりして綺麗
塗膜が硬い
刷毛目が出ない
塗りやすい
固まり方がイイ感じ!
塗料が固まるまでの時間がシビアになる事にも繋がりますが、おおむね12時間後には見事にゼリー状になってしまいます。
塗料の価格
塗料の仕入れ価格は、2液型塗料の方が1割程度高い感じです。
その程度の塗料の価格差であれば、その他の要素の違いを気にした方が良い程度です。
寿命が違う!
2液型塗料のデメリット
では、2液型塗料にデメリットが無いのか?と言えば、デメリットが無い訳ではありませんが、念のため、デメリットも挙げてみましょう。
面倒くさい(主材と硬化剤をキチンと量って混ぜなければいけない)
主材と硬化剤をきちんと量らない職人がいる
硬化剤を入れない職人がいる
主材と硬化剤を混ぜたら翌日には使えなくなる(固まっててしまう)
刷毛が使い捨てになる
まとめ
いかがでしょうか?
まとめると、1液型塗料を使っている職人は「面倒くさがりの手抜き職人」と言えます。
通り掛かりの塗装現場で1液ファインウレタンを使っているのを見かけると、正直ガッカリします...。
主材・硬化剤を量る手を抜かないで、真面目に良い材料を使って欲しいものです。
外壁塗装の見積りを比較するなら、細部塗装の塗料が1液型か2液型かで判断するのも良い方法かもしれません。