チョーキングの正しい確認方法と、チョーキングが外壁塗装のサインになる理由


外壁チョーキング

チョーキングとは

チョーキングとは、塗膜の表層が劣化して、元の色よりも白くなり塗膜が粉状になる現象を指します。

経年劣化した外壁や塗装面を触ると、手や衣服に塗料の粉が付く事があります。

これをチョーキング現象と言います。


一般的には「現象」の部分を略して、「チョーキングしている」という使い方をします。


チョーキングを確認するのに良い場所・悪い場所

チョーキングの確認をする場合は、南側の2階が良いでしょう

よく「ウチはまだチョーキングしてないわ」と北側の玄関先などの外壁を触って確認している方がいますが、太陽が当たらない(劣化しにくい)場所はチョーキングが起きにくいので確認の場所としては適していません。

メンテナンスの基本は、一番傷んでいる部分を基準にすることです。
戸建て外壁で一番条件が厳しい部分は、屋根の無いバルコニーの外側です

ただし、チョーキングした粉に直接雨が当たるような環境だと、流されてしまいチョーキングしていても確認できない場合があります。
チョーキングは劣化のサインですから、雨で洗われてしまえばOK!というわけにはいきません。

チョーキングを確認するなら、以下の順番を参考にしてみて下さい

  1. 最上階のバルコニーの外側(南向きか西向き)
  2. 上記バルコニーの外壁面(窓の横辺り)で太陽のよく当たるところ
  3. 西日のよく当たる2階以上の部屋で、窓から手の届くところ
  4. 1階の南側の外壁で太陽のよく当たるところ

チョーキングを早める3つの原因 

チョーキングは必ず起きるものです。それは塗料にも寿命があるからです。
ただ、チョーキングが思いの外早くなってしまう原因もあり、それは主に下記の3つが考えられます。
  • チョーキングの基本原因は、塗料の経年劣化(寿命)
  • チョーキングを早める原因は下記の3つ
    1. チョーキングしやすい塗料を塗ってしまったこと(安い塗料・不適切な塗料を使った場合)
    2. 立地条件(太陽光の紫外線を浴びやすい場所など)
    3. 塗料の撹拌不足(手抜き?)

チョーキングの粉の正体とメカニズム

多分、皆さまには興味が無い部分かと思うますが、一応塗料の中身は主に以下の構成になっています
※分かりやすく説明するために簡略化しています

  • 樹脂(塗料の主成分・寿命にも大きく関係する)
  • 顔料(色の元になる成分)
  • 添加剤(塗料の性質を補助する成分)
  • 溶剤(薄め液:水やシンナー)

チョーキングの粉はこの中の【顔料】です。

塗料のメインはこの樹脂で、その他の物質は色を付けるためだったり、塗りやすくするためだったり、乾きを早めるためだったり、各種の調整材です。

チョーキングが外壁塗り替えのサインになる理由


では、なぜチョーキングが起きて顔料が粉になると、外壁塗装の時期のサインになるのでしょう?

実は塗料の表面の劣化の順番は以下のようになります。

  1. 塗装を行ったばかりの状態
  2. 太陽(紫外線)・雨・風・その他により塗装面が劣化し始める
  3. 塗装の表面の樹脂の劣化が始まるり雨や風に流されていく
  4. 顔料がむき出しになって表面に残る
  5. 接着力の無い顔料は、ただ粉が付いているだけのような状態になっている【チョーキング】

樹脂は概ね透明なので、それが傷んで→壊され→風や雨に流されてしまっても気が付けないので、体感として分かるのは手に粉(顔料)が付いたチョーキング現象が起きてしまった後です。つまり、チョーキングは樹脂の劣化を知らせるのサインなのです。

表面に残っている顔料は「色付けの担当」なので寿命に関わる仕事は出来ませんからチョーキングが起きている塗料の表面は防御する機能が無く、寿命が尽き掛かっていると言えるのです



チョーキングの具体例 


モルタル外壁のチョーキング

モルタル外壁のチョーキング モルタル外壁のチョーキング

モルタル外壁のチョーキング
触るとると手につくだけでなく、触った跡が壁に残るほどの退色を起こしてしまうこともあります。
この程度まで劣化が進んでいる場合は塗り替え時と言えるでしょう。


サイディング外壁のチョーキング

外壁チョーキング サイディングのチョーキング
チョーキングした外壁が木の葉で擦られているところ

サイディング外壁のチョーキングが擦られているところ

外壁塗装は劣化が進んでいて、木の葉で擦った部分の壁だけチョーキングした部分を拭き取っています。

このように、チョーキングすると表面が白く変色するだけでなく、粉になって外壁から剥がれて飛んで行ってしまいます。
つまり、塗料の成分が減って、膜が薄くなってしまうのです。


外壁以外の場所のチョーキング

アルミサッシのチョーキング

アルミのチョーキング アルミのチョーキング
アルミも工場で塗装しているので、劣化するとチョーキングします。

白い塗装をしてあるアルミサッシの場合は、15年程度以降でチョーキングが起こるケースが多いですが、それ以外の塗装色のアルミサッシではチョーキングしてしまったアルミサッシを見たことはありません。

この原因は、塗装色による劣化進行速度の違いによるもので、黒は遅く・白は早く劣化します。


破風板・装飾枠など

チョーキング破風

破風のチョーキングの様子(木部)

破風のチョーキングの様子。木部もチョーキングを起こします。

チョーキング鉄部

扉のチョーキングの様子(鉄部)

とある現場の勝手口の様子で。鉄部も同様に劣化するとこのようになります。


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