建築用仕上塗材と一般塗料の違い
外壁を塗るというと、一般的には「ペンキ」と総称で呼んでしてしまうかもしれませんが、その違いをハッキリさせておくと混乱しなくて済むので少し解説をしておきます。
建築用仕上塗材とは
建築用仕上塗材とは、外壁の表面に塗る「下塗り材+主材+上塗り材」のパッケージのことです。
各工程の内容を簡単に解説します。
下塗り材
下塗り材の役割は、下地と次に塗る主材の接着材的な役割と、下地の浸透性を抑えて吸い込み過ぎないようにすること、下地からのアルカリ性質やヤニ、シミなどをブロックすることです。
下塗り材と同じ意味で使われる言葉に「プライマー」や「シーラー」があります。
主材
主材の役割は、壁面に模様を作ることです。
砂壁状・スタッコ状・凹凸状などの立体的な模様を作ったり、ゆず肌状、フラット状といった比較的平たんな模様を作ることもあります。
マスチックローラーにて主材塗り。 |
こんな凹凸模様になります。 |
上塗り材
上塗り材の役割は、表面の着色・撥水性・耐汚染性・耐候性・遮熱機能などがあります。
上塗材には、水系・弱溶剤系・溶剤系などの分類があります。
外装用仕上げ材の概要
- 目的
美観と下地の保護 - 主な使用道具
ローラー・左官こて・吹き付け(ガン吹き) - 主な模様(パターン・テクスチャー)
凹凸模様やゆず肌模様など - 材質
セメント、合成樹脂などの結合材、顔料、骨材 - 工程
下塗り・主材塗り・上塗りの3工程が基本
一般塗料と建築用仕上塗材の違い
上記「建築用仕上げ塗材」のうち、いわゆる「一般塗料」と言うのは【上塗り材】のことです。
「建築仕上げ塗材」は「下塗り材+主材+上塗り材」のセットのことですから、物理的な部分でも下記の違いがあると言えます。
① 厚みが違う
- 仕上塗材は膜厚が数mm~10mm程度
- 一般塗料の膜厚は0.01mm程度
② 模様が作れるかどうか
- 仕上塗材はその厚みにより造形的な模様を形成します
- 一般塗料の厚みでは模様は作れません
つまり、薄膜で模様が作れないのは【一般塗料:上塗り材】で、厚膜で模様が出来るのは【仕上げ塗材】という事になります。
模様は主に「主材」の部分で作られますので、立体的な模様を作ることが建築用仕上塗材の役割になります。