かわいいワンちゃんが駆けまわる芝生敷きの広いお庭に三角屋根の白いおうち。まるで絵本や歌詞に出てきそうな理想的なおうち。それがM様邸。私が初めてM様邸を訪れた時の感想が「憧れのおうちがリアルで建っている!」というものでした。
何度かの塗替えを行って10年ぶりくらいの塗替えでの懸念項目は「破風板の劣化」。木部である破風板は経年劣化には勝てません。まめにお手入れを行っていても「木」の性質上どうしても表面が腐朽してきます。塗装によって劣化を遅らせることは可能ですが、常に紫外線や風雨に晒されている破風板はとても厳しい環境にある部材です。塗替えで済むのか、それとも交換(貼替え)が必要なのか、判断が分かれるところです。 足場を組んで行う作業前チェックの結果、今回は塗替えを行うことに決定しました。しかし塗り替え前の下地処理がたいへんです。 「ケレン」と呼ばれる作業で傷んだ表面を削ぎ落とし塗装に適した状態まで整えます。その後に丈夫な塗膜を作るために2回塗りを行って仕上げました。 丁寧な下地処理のおかげで見事な仕上がりとなりましたが、おそらく塗り替えは今回が最後。これ以上破風板の劣化が進むと貼替えかカラー鋼板を貼り付けるなどのカバー工法が必要となってきます。
破風板以外の部分はとても健康的なM様邸。遮熱塗料の「水性クールタイトシリコン」を使用し、その中でも遮熱効果の高いグレー色で塗り替えた屋根は夏が来るのが楽しみです。外壁は「ほぼ白」と呼ばれる色番号「N-90」で塗ったおかげで「憧れの真っ白いおうち」がさらにパワーアップ!裏の通りでは建売住宅の建設工事真っ最中ですが、新築のおうちにまったく見劣りしないM様邸でした。
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